09/08の日記

01:17
月駛家実録2
---------------
壊れ会話 その1

屑(母)&芭(月駛)

『生まれちゃったの…。』



夕食後、何気なく母と二人でテレビをみていた時のこと…。


『あぁ…!あの時、私があんな過ちを犯さなければ…っ!!』


じゃじゃじゃーん!


『人生で最大のあやまち、そして後悔…。○○さんは、決してしてはならなかった過去のあやまちを、今も悔やんでいるのです…!』


大げさな音をたてながら、テレビ画面のなかで泣き崩れる、中年女性。
なにやら人生劇場さながらの番組をみながら、
オレはふとテーブルの
向かい側でお茶を飲んでいる屑桐さんに尋ねた。


「…ねぇ、屑桐さん。屑桐さんは今まで生きてきたなかで一番、後悔してる事ってあります…??」


「…‥うむ?後悔、か‥?」


「…ですよ。あ!ホラ!
例えば過去に、何か重大な犯罪を犯したとか…。誰にも言えないような失敗談とか…。なんか、あるっしょ??」


「…‥そんなもん、ないぞ‥。というよりもキサマ、重大な犯罪だのなんだのと…。一体オレを、何だと思っとるんだ??」


「や‥やだなぁ、例えばの話ですよぉ!た・と・え・ば‥☆」


じと目で見てくる屑桐さんに向かって、
オレはキャハッ☆と、おどけてみせる。
屑桐さんはそんなオレを見て、「うわぁ…なんか、変なの見ちゃった‥。」
―‥と言わんばかりの顔をして、ハァッと重々しい溜め息をついた。(…失礼な!)


「…とにかく。オレにはそんな、人生の汚点など無い。」


そうオレにきっぱりと言い放って、再びテレビの方に目を向ける屑桐さん。
予想どうりの解答に、オレは「ちっ!」と胸のうちで軽く舌打ちする。


(…ちぇっ!つっまんねーの!なんか重大な秘密でもあれば、面白かったのに…。)

(まぁでも、あの屑桐さんの事だし‥もし秘密があったって、オレに話したりしないか…。)



仕方がないので、諦めて
オレもテレビに目を向けようとした、その瞬間。
屑桐さんが小さな声で何かを呟いた。



「…まぁ、強いて言うなら‥。…オマエを生んだ事‥、だな…。(ボソッ)」



…あっさりと口に出されたその言葉は、本当に小さな声で。


それは、耳をすまさねば
聞こえない程にぼそりとしてて。


…でも、その言葉はオレのこの耳には、確実に。



聞 こ え ち ゃ 


い ま し た 


… ! ! (泣)




「…‥ ッ ‥!」


「…‥?なんだ?オマエ、何を泣いているんだ…?もしかして、腹でも痛いのか?薬でも飲むか??←(マジで心配そうに尋ねる)」


「…‥!!?煤iえ゙ー!気付いてないのー!?てか思いっきり、アンタのせいだしーーー!!?這煤j」



…嗚呼、神さまッ!

この人は今、自分がどれ
程のメガトンパンチをオレにかましたのか…

まっつたく!ぜんっぜん!分かっていない様です…。(しかも、マジで。)


泣。



ちなみにオレのこの日の
日記には、ただ一言。

「生まれちゃったの」

…と、いう文字が書いてありました‥。


オレはこの日の屑桐さんの言葉を一生涯、忘れる事はないだろう…。


おわり☆



↑これ結構、前の話ですよ。じゃなきゃ、深刻すぎて書けません。笑。
てかもう、そんな言葉を
本人の前であっさりと言える母って一体…!汗。

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ