08/11の日記

19:33
芭録短文
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【本気】 芭録


昔のハナシだけどさ、軽い遊び心で付き合ってたちょっと年上のイイ女がこんな事いってたんだよね。


『…本気で人を愛してしまったら、常識も、理性も、プライドでさえなくなってしまうのよ。』


寂しそうな顔してオレにわらって呟いてた。そのころ自分以上に大切なものなんてなかったオレには、その言葉の意味なんてカケラも理解できなかったけど。

…アンタと出会えた今なら、なんとなく意味がわかる気がする。



【恋愛】 芭録


「…‥いー加減にしろよ、ミヤ!毎日毎日…男相手に告白だなんて‥一体なに考えてる気!?」
「…そりゃアンタに恋してますからね。オレにとっちゃもう毎日がアタック・デーですよ(笑)」

「なっ、なにが恋だよ!馬鹿ばっかいってンな!この、変態っっ!!」
「――ったく。オレはこんなに愛してるっつーのに、冷たいっスねぇ?」

「なにが、愛だ!そういう事は女の子にいえっての!!オレはおとこ気…!」


愛とか、恋なんて。
言ってるヤツが一番信用してないくせに。




【浮気】 芭録


「…ミヤ、お前また浮気した気だな!?もう許さな気!今度こそ別れるっ!!!!」
「えー、嫌ですよ〜。オレ録せんぱい大好きなのにー。アンタに別れられたりなんかしたら、オレまじで死んじゃいますよ〜?(笑)」
「―…!だったらっ!
なんでっ、いつもいつも――‥!!」


泣きじゃくるアンタを抱きしめて、あやすように繰り返す「ゴメン。」「もうしない。」もう泣かせたくない。ぼんやりとそんなことを思いながら、震えてるアンタの目蓋にキスをする。

だがきっと、オレはまたこの人いがいを腕に抱くだろう。あんた以外の逃げ道をつくろうと、必死のオレは。まだアンタ以外を抱けると確認して、ふたたび安堵する。いつかこの関係が終わってもオレはまだ平気でいられる――‥と。


【記憶】


顔と名前と誕生日。
オレがおぼえるのが苦手なもの。

え?単に記憶力がないだけじゃないか、って??
ちっがいますよー、失礼な。…たんに興味がないだけですよ、相手に。だれかに深く係わんの、あんま好きじゃないんスよね〜‥昔から。だからー、オレがこんな風に全部を記憶してるのって結構、貴重なんですよ?

用意してくれていたバースデーケーキに火をつけながら、ミヤが言った。
願わくば永遠にコイツの記憶から消えることがありませんように、蝋燭の灯りを消しながらそんな事を願った。


 

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