08/01の日記

16:24
絶対境界(芭録)
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意味不明芭録小話  
(一人で苦しむ恋人を救いたい録と、それを頑なに拒み続ける芭唐のお話。
よく分からない上にむくわれてません。笑)





――ネェ触レナイデ?
愛シテルカラ …‥…‥…



オレのすべてを知りたいと、アンタは言う。
オレの弱音をききたいのだと、あんたは泣く。
行く必要もねぇ、めんどくせー道にわざわざ歩をむけるなんて。まったくアンタは信じられねぇぐらいの大バカ者だよ、

…録せんぱい。


【ひきかえ】


オレの抱えるもの。
恐れている記憶、隠した弱さ、かなしみ。
狂暴で、罪悪な、オレの過去。無くした月。
オレのなかで壊れかけてる、ホントの気持ち。

ねぇ、録せんぱい…そんなもの知らなくたって。オレたちは今までどおりにやっていけるのに。ずっと笑いあえるのに。オレのことなんて、知らなくたって。「見ないふり」しながらだって、うまく続けていけるっスよ?むしろその方が、楽じゃないっスか。
わずらわしー事なんて考えないで済むほうが

――お互いにさ。


だけど、それでもアンタは泣くんだ。
いやいやと首を横にふり、オレにしがみついたままで。「オレの支えになりたい」と、子供のように駄々をこねる。


「…オレを支えるにゃあ、ちょっとばかり身長が足りてませんや、録せんぱい。」
「…っ、茶化すなよ!
ミヤはそうやって、いつも、いつも…!!」


本音は言わない。
おしえない。アンタには、なにひとつ吐かない。強いオレだけでいいんだよ、あんたが知ってるのは。

笑いあえる時間。
隠す本音にあるのは、
オレが望むアンタとの距離。それで、アンタを守れる。オレも、救われる。


…だからねセンパイ。
もうドア叩きながら泣くの、ヤメテ下さいや。
諦めてよ。
ついでに涙も拭いてさ、
キスでもしましょ?


じゃないとね…

そろそろ堤防が決壊しそうなンすよ。



「そんなにオレじゃ、頼りなさ気!?」
「ミヤは、ホントにそれで良さ気なの…」
「オレは、ミヤのこと本気で…。」


『一歩も譲らない』とオレに訴えてくる、強い決意をした濡れた瞳。騙したり茶化したりして、なんとかやってきたけど。
今回は無理みてーだな。


あぁ…録せんぱい、
アンタは本当にバカなひと。
ずっと知らないふりしてれば、…笑ってやり過ごしていれば。
このまま一緒にいれたのに。
そこは、オレとあんたの境界線だよ。越えることは、けっして許さない。
だからこそオレは今まで、あんたの傍にいれたんだ。安心して、あんたの手を握っていられたんだよ。

鶴の恩返しといっしょ
気付かれたなら、もう傍にはいられない…

だから、終わりだね。


「――‥分かりましたよ、録せんぱい。」   


オレの嘘、情けねぇ弱音、消し去りたい過去。
アンタが触れたがるオレの傷跡、すべて。
望みどおり、ぜんぶアンタに教えてあげる。

ただし


―― オレとあんたの『別れ』を、ひきかえにしてね ――。


「…録、せんぱい、オレ本当はずっと――‥。」


オレが紡ぐ言葉に連動して、アンタからは止めどない涙が溢れる。

小さく震えている肩。


こんな悲しい顔、あんたにはさせたくなかった。
オレが守ると決めていたのに、オレが一番あんたを傷付けた。

愛してました、録せんぱい。
たぶんこれからもずっと。


アンタが望む『本当の顔』隠してきた、弱いオレの姿。あなたにみせる最初で最後の泣き顔、すべてと引き替えにしてアンタだけに晒す、醜い本性。

最後の『愛してる』とともに、受け取って。



――――――――――――



別れを告げた唇で、それを否定しようとするアンタの口をふさいだ。
…こうやって言葉をふせげるように、アンタの涙も止められたら。

その強さが、オレにあったなら…
この手を離さずにいられたのかな。




最後にしたキスは、
言葉にできない『アイシテル』のかわり。

相手がアナタでさえなければ、
決壊なんて…起こさなかったのに。


 

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