短編小説(BL注意)
□† 最悪試練
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二人の男達は、明らかに
高校生くらいの体格で…。僕の必死の抵抗はあっさりとかわされてしまう。
「…ちょっ‥!いい加減に して下さいっ!大声、
出しますよ…っ!?」
「へ〜…?それは、ちょっ と困るなぁ〜。
それじゃあさ…‥。」
「――…‥っ!??」
無理矢理に、体を引き寄せられて男の片膝に座らせられる。あせる自分を見て、さらに愉快だと言わんばかりに笑う男たちの目が怖い。流石になりふりをかまっていられる場合ではないと察知して、大声をだして誰かに助けを呼ぼうとした。
…が、すばやく伸びてきた男達の手に口を塞がれてしまった。
「〜〜〜〜‥!!?」
「なぁ、バレねーかな?」
「ちょっとくらい、かまや しねーって!それに、
今更じゃん…??」
下卑た笑みを浮かべながら、男達は僕の方にと手を向かわせてくる。
足をしつように触られたり、制服の裾から手を入れられて脇腹を撫でられる。
気持ちが悪くて、鳥肌がたった。
助けを呼ぼうと周りを見渡しても、忙しすぎるせいか誰も気付いてくれる気配がない。
「――っ、ん゙ん゙ん!?」
周りを見るのに夢中になっていたら、とつぜん両胸の突起を強くつままれた。
そのまま人差し指と親指のあいだで、強弱をつけて押し潰される。
「ん゙ん゙っ…んーー!!」
「…お?随分と反応がいい ね〜。もしかして、
感じちゃってる…?」
「マジで…?うわ、ホント だ。こいつの顔、すげぇ エロい。」
気持ち悪い。嫌だ。僕は、悔しくて、これ以上触られたくなくて涙をこぼした。…が、それさえも男達には通用しない。
「うわ、泣いちゃったよ。 すげー‥そそる!」
「なぁなぁ、そろそろ下の 方もいっちゃう…?」
鼻息を荒くしている男達の言葉に僕は耳を疑った。
男達の手が、スカートの中へと伸びる。
(――‥いやだ…‥!!
誰か、助けてっ…!!! )
バゴォッ…‥!!!!
頭上からものすごい音がした後、僕を拘束していた男の手が解かれた。
慌てて男の膝から逃げると男はテーブルに前のめりになり、ゆっくりと倒れる。
目をぱちくりさせながら、男の後方を見てみると…。
そこには、鬼の様な形相で明らかに変形した(恐らく、男を殴ったせい)オボンを持って立っている屑桐君がいた。
「‥屑桐君っ…‥!!」
「・・・・・。」
屑桐君は無言のまま、もう一人の男の方に向かい、
男の手の甲をもの凄い勢いでつねり上げた。
「‥なっ、ひぇっ…!?
い、い゙だだだ゙だだ だッ!!!!」
容赦なしに力いっぱいにギュッと手の甲の肉をつねり上げる屑桐君。
あまりの力強さに男の顔も苦痛に歪んでいる。
そして相手が「ごめんなさい」と言うのを確認するとパッと手を放して低い声で男に言った。
「とっとと、この男を
連れてここから出て
ゆけ。さもないと…」
怒りの表情を崩さずに、
のびてる方の男を親指で差しながら屑桐君が忠告する。
すると男は、青ざめた顔をして、慌てながらのびている方の男を抱えて教室を出ていった。
男達が出ていったのを確認して胸をなでおろした後、僕はお礼を言おうとして屑桐君に駆け寄った。
「く、屑桐君…!
助けてくれて、ありが
――‥。」
僕は先程の恐怖から解放された安心感から、ホッとしながら彼を見上げた。
だが、彼の表情を見た途端にさっきまでの安心感が、一気になくなった。
「…牛尾、キサマ‥!
何故あんな奴らに
好き放題させていた
…‥!!?」
――こ、恐い…‥!
長身で大柄(中学生にしては)その上、看護婦のコスプレをした男(蟹股)が、わなわなと体を震わせながら、憤怒の表情で僕を見ているっ…‥!!!!
あまりの恐しさに僕が声も出せずにいると、
屑桐君が「チッ」と舌打ちして、僕の腕を掴んだ。