短編小説(BL注意)
□† 最悪試練
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人生には「最悪だ」と思う出来事が何度かある。
それは、突然の出来事だったり何かの積み重ねによるものだったり…。
その事態に直面するのは、時と人、その場合によって様々で。
時にそれは、人が生きる中で『越えるべき試練』とか呼ばれるものだったりもする。
だけど…‥!!
…神様。いくらなんでも、こんな『試練』はあんまりだと思います。
それとも、こんな「最悪」な事態にも何か越えるべきもの…。
いや、意味があるというのでしょうか…?
ああ、神様―――…。
「でわ、クジ引きで決まっ た通りに、この配役で
喫茶店をやります。
なにか、異論のある人
は手をあげて下さい。」
自分のとなりで、大きよく声を出しクラス中を見渡している副委員長。
正直「異論があれば…」などと言われても、他に提案すべきものがない限り、手をあげる事など、出来るわけがない。
「…反対意見は特にない
ようですので、これで
計画を進めていこうと
思いますが…。
どうですか?委員長。」
有無も言わさない笑顔で、にっこりと振り返る副委員長の彼女。
そして、好奇の目で僕や、他の男子を見ているクラスの女の子達。
僕は、黒板に書かれた自分の配役を見てふたたび盛大な溜め息をついた。
(あぁ、なんど見返しても 同じだ…。)
黒板に書かれた、それぞれの配役。
それは、女子にとっては
とても楽しそうな配役で。
男子にとっては、皆が顔を青くする程に「ありえない」配役だった。