book3
□あ、今ので星が一個爆発したね
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あーぁ。
俺はすこぶる疲れた。
何故って、そりゃ・・・・・話すのもかったるいよ。
「あぁ、チカ。今日も星が綺麗ですね」
自分の首がギギギ・・って言うのが分かった。
うわっ眩し!今夜だよね?!
『いや、そんなことより、何で骸がいるの』
「でも、星なんかより、僕はチカの方が綺麗だと」
『はいはい。黙ってよ。あーだる。』
「チカは体力がないですねぇ。マッサージして差し上げましょうか?全身」
『あれー?何か今、俺の隣にナッポーがいたような気がしたんだけど、気のせいかなぁ??』
チカは視界から、いや、脳内から隣のナッポーを抹消しようとした。
「ち、チカ?!そんなっ無視しないで下さい!!何をそんなに怒っているんですか?!!」
骸は必死にチカに謝る。
この勢いだと、土下座もしそうだ。
『・・・はぁ、何怒ってるかも分からないのに、謝るんだね。骸は』
チカはそれはそれは冷めた視線を骸に向けた。
「・・・っ!!(ゴクッ)」
骸はみるみる青ざめる。
『・・・ぷっはは!そんな、泣きそうな顔されてもねぇ。』
こんなの、他の女子が見たら泣いちゃうかもよ?
なんて、チカが笑っていると、骸は下を向いてしまった。
・・・やりすぎたのかね。
「チカ・・・・すみません。僕は、チカが疲れていたのを知ってました。けど、だからこそチカを1人にしたくなかったっていうか・・いえ、僕達が原因なんですけど、その、実は・・・・願いごとを」
『え、願いごと?』
チカが繰り返してそう問えば、骸は少し顔を赤くして空を見上げた。
「はい。だから、屋上でチカと会ったのは偶然なんです。」
ん?偶然って言葉が妙に強調されていたような。
『ま、いいや。俺も、骸に八つ当たりしちゃったし。いや、アンタらが悪いんだけどね。・・・・・・・ごめんね』
あれ?なんか微妙な謝罪になってしまった。
「チカ・・・クフフ、そんな貴女だからこそ、僕はこの輝かしい星々に貴女の事を募りながら祈るんです」
勿論、貴女の事を、ね。
『骸の、願いごとって、何一一一一?』
チカと骸は見つめあう。
「それは、貴女を世界で一番一一一一」
一番、愛していると。
『・・・・・・・・・・・・・・・あれ?骸見て』
「あれ?何ですか、チカ。その間は。・・・・・どうしました?」
そんな願いごと
星になんか、託さないでよ。
『あ、今ので星が一個爆発したね』
「・・・ムード台無しですね。」
『やだなぁ。ムードなんて何処ら辺にあったの?』
「クフフフフフフフフ・・・・・・・・泣きますよ?」
だってなかったんだから、仕方ないでしょ。
それに・・・
『それほど、骸の想いが重いってことでしょ?』
チカは骸に今日一番の笑顔を見せる。
「・・・・キスしていいですか」
『ははははははははは』
骸は屋上の手摺に手を掛けた。
そのまま自分の腕で乾いた笑いをしているチカを囲った。
「・・・逃げないのでしたら、このまま続き、してしまいますよ。」
その言葉は今なら間に合うとでも言うかのようだ。
チカは骸の腕と腕の間で骸のオッドアイを見つめる。
『何、自信ないの?』
自然と上目遣いをするチカに骸は体が疼くものを感じた。
さらにチカの挑発の言葉に、体が先に行動する。
「待ったって言っても、もう遅いですからね・・・」
骸の声に艶が増す。
2人の距離が縮んでゆく。
「・・・・・チカ」
『骸・・・・・』
「退きなよ」
ドカッ☆
(グフッ!!?)
(はははははははははははははは)
(・・・・・し、知ってましたね。チカ)
((調子に乗り過ぎなんだよ))
(・・・・・・・・・泣)