#3

□鏡映する、存在
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会話の端に訪れる
自分が自分でない感覚
顔や声 名の一つ一つが
砂粒のように零れ落ちていく

人間という器に
私は押し込められている
脳という器に
心は記憶されている

考える私は存在する
ここにいる私とは違う姿で
気を抜けば 溶け込んでしまう
ここよりもっとあいまいな世界に

踏みしめたつもりの
銀の砂浜
その感覚は
心地よいほどに不確かなんだ

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