□初恋
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途端に胸のあたりがギューっと締め付けられたように痛む。俺はあまりの痛みの強さに服の胸の辺りを掴んだ。
また、か・・。
俺の彼氏、侑也はいつでもヘラヘラしてて、俺が付き合う前から女の噂が絶えることのなかった、いわゆるチャラい男だ。そんな侑也と、俺は今付き合っている。
『オレ、侑也!!よろしくな!!』
そう言って手を差し出された時、俺は堕ちた。あの時から、俺はどうしようもなかった。侑也に一つ一つの仕草に反応した。だから両想いで付き合った時は、嬉しくて・・仕方が無かった。
でも・・侑也は違ったみたいだ。
わざと足音を鳴らしてリビングまで歩く。そして2人いるうちの一人に、そばにあったティッシュの箱を力の限り投げつけた。
「っっ!?」
見事命中した相手、侑也は案の定目を見開き、此処を見ている。俺の存在に驚いたの分かった。
「ねぇ侑也どしたの?早く続けよ・・、誰?」
甘ったるい声で女が侑也を誘い、ふと此処を見やった。
「る、留樹・・。」
「ふーん。風邪じゃなくて女をアンアン言わせてただけか。」
「これは・・違くて、」
「違う?何が?・・邪魔者は帰る。悪かったな。」
そう言ってドアに向かおうとした瞬間、凄く強い力で腕を掴まれた。