□『僕が知る君へ』
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 戦後,シンはAA(アークエンジェル)に身を寄せていた。

 ルナマリアはオーブに移住したメイリンと共に新たな生活を送っている。

 そしてレイは,あの時崩壊するメサイヤで──。

 身寄りもなく友と呼べる者もいないプラントに残る理由はなかった。少年は再び,故郷であるオーブに身を置いた。其処には彼の帰るべき家等,なかったのだけれど──。





『僕が知る君へ』





「9月1日が何の日か知ってる?」

 ミリィにそう聞かれキラはキョトンとした。唐突な質問に首を捻る。

「えーと……映画1000円の日」

「それは毎月でしょ」

(※オーブ限定)

(本当かよ)

「じゃあ菊の節句?」

「それは9日だってば」

 もー変なことばかり知ってるんだから……。ミリィは深い溜め息をついた。ツッコんだからにはミリイも知ってるんじゃないか,とかいう言葉をキラは呑み込んだ。



「9月1日はシン君の誕生日よ」



“シン”という響きを耳にした途端,キラは目を見張った。心拍数が上がり,背中に冷たい何かが伝うのを感じた。

 キラの一瞬の動揺に気付かない振りをして,ミリィは何でもないことのように告げる。

「シン君もキラに知っていて欲しいだろうから,教えたの。どうするかはキラが決めて」

 私はいつでもキラの味方だからね。そう囁くミリィの顔を,キラは見ることが出来なかった。





(続く)
小難しい書き出しですが全体的にギャグ調になります。多分。
次頁はキラのモノローグです。多分。
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