□『笑ってごまかせ』
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 アークエンジェルの廊下を疾風の如く走る少年がいた。一直線に全速力。曲がり角でしっかりブレーキを踏み,1つ,2つ,3つ目の扉。
 バー――――――――――――――――――ン!!
「何やってやがんだアスラー――――ンッ!!」
「黙れこの童顔野郎ー――――っ!!」
 間髪入れずに,童顔と呼ばれた少年により天元に手刀をお見舞いされたアスランとか言う少年は,その場で撃沈した。
「……やめてくれる?僕,そう言われるの本っっっっ当に嫌いなんだv」
 ニッコリ笑顔で何処かで聞いたような台詞を紡ぐ少年は,足元に転がる生ごみ(仮)をげしげし足蹴にする。
 然し生ごみ(仮)は速攻で立ち直った。跳ね起きて自分を杜撰(ズサン)に扱う少年の手を握ると真剣な瞳で主張する。
「何を言っているんだキラ!童顔だからこそお前の魅力が一層引き立つんじゃないか!はっきり言って俺はそんなお前が大好きだ!むしろ愛している!横で眠っているお前を見て何度押し倒しそうになったことか……(←※注:幼少時)!!いやだが何と言ってもお前は泣き顔が一番可愛い!だからこそ俺は幼年学校でお前がいじめられている時もぎりぎりまで助けなかったし迷子になってもそっと物陰で見守っていたし嫌いな食べ物をわざとお皿に移しか」
 言い終わらないうちに再び少年は昏倒する。佇むキラと呼ばれた少年の腕にはガトリング砲が煙を上げていた。相変わらずの非の打ち所なき笑顔である。
「ふーん……そんなことまでしてたんだ?ありがとうアスランvお陰で僕こんなに逞しくなっちゃったみたいv v」





(続きます。)
 

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