明
□☆『運命学園疾走之巻』
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まー何かてきとーな時代のどっかその辺に,運命学園があったと仮定したって下さい。
***運命学園疾走之巻***
シン・アスカ(16)。彼は今まさにイライラしていた。
もー少しでチャイムが鳴っちゃうつまりは遅刻ギリギリの時刻。イライラの原因は,自分の隣の空席にあったりする。
「レイ……何かあったのか?」
それは目下シンの頭の中で1番気になっている名前,即ち空席の主。フルネームはレイ・ザ・バレルだったりする。話は簡単だ。もうすぐ予鈴が鳴ろうかというのに,真面目を絵に描いたよーなレイ君の姿が現れないのだ。ありえない。彼のイライラは後ろの席のルナマリア・ホークにも充分すぎるくらい伝わっていた。
分かり易すぎる。
シンの手の中で今,7本目のペンが粉屑と化した。
「どーゆー握力してんのよ……」
控え目且つひねりのないツッコみにシンが気付く筈もなく,彼の手の中で8本目のペンが犠牲になろうとしたその時,ガタンと元気な音を立てて彼は席を立った。
「来た!!」
主語が思いっ切り抜けちゃってるが聞くまでもない。レイのことだ。
「……何で分かるかな」
ルナマリアの独り言めいたツッコみに今度は反応するシン。
「俺のレイセンサーが半径50m以内にレイの気配を感知した!!」
「うわキショッ!!そんなヤバげなもん今すぐ外しなさいよ」
「無理だ!これは俺の通常スキルだから!」
「寄らないでよこの変態!!」
朝からビシバシと元気いっぱいなどつき漫才(ルナ優勢)を展開する2人を見て生暖かい目のクラスメイトは一様に思った。
朝っぱらから仲いいな〜このバカップル。
勿論それは重要な箇所をしっかりスルーしているクラスメイト達の意識的(?)勘違いで。
本当は皆分かっていた。
実際の所,シンはレイに日夜熱烈的なアプローチをぶちかまし,うんざりしつつも腐れ縁友達を続けるルナが自分の友人(ミトメタクナイ)を人の道に戻そうと無駄な努力に身をやつす,という構図が成り立っている。因みに最近はルナのリアクションにかなり諦めが含まれつつある,てーかぶっちゃけ諦めてる。
そうこうする内に,校門の前に一台のミ○が停まった。量産型の軽乗用車の中から,優雅に滑り出してくる滑らかな金髪の少年。遠目でも目を引くその容姿は,間違いなくシンが数多の筆記用具を犠牲にしつつ待ちわびていたもので。次に取るであろうシンのリアクションに備えて,ルナマリアが身構えたタイミングで(はっ書き忘れてた!シンとルナは窓辺に移動してマス)。
「俺のレイ〜v v愛してるぞ──!!」
「せからしかばい!!」
恥ずかしげもなく叫んだシンの鳩尾(みぞおち)に何処のだかよく分かんない方言なルナのツッコみ(右)が入る。見事な手首のひねりっぷりに傍観していたクラスメイトが拍手喝采を送った。
痛む鳩尾をおさえて抗議の声を上げようとしたシンは然し,窓の外で繰り広げられた光景に再び叫びを上げることとなった。
(まだ続きます。)
☆書きっぱなしで放置してたのずっと気になってはいたんですけど。続き更新ついでにちょこちょこ手直ししてみました。
☆私の理想のシンレイです。
ルナマリアはツッコみ職人ってコトで。
種デスキャラくらいしか出てきません。キラの出番も皆無(ゎ)。
続き……読んでくれますか??