猫杉連載
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「コラァァァァァ!!」
晋助を拾ってなんだかんだいって一ヶ月が経った。
最初は戸惑っていた人間の身体にも段々と慣れてきたらしく、最近は悪戯が酷い
言葉も少しずつ覚えてきた
おはようもおやすみも言える
「銀時のバカーー!!」
テレビの影響で覚えなくてもいい言葉も覚えたけど
今日は冷蔵庫の中にあったマヨネーズで遊んでたらしく、俺が気付いた時には居間のテーブルがすごいことになっていた。
「なんでよりによってマヨネーズ!?すっごい臭いするんですけどー!!」
「だ、だって銀時がっ……〜〜っ」
ダッ
あっ逃げた!
「どーすんのこれ……」
マヨネーズで落書きされたテーブルは見るも無惨な姿に
「捨てるか、もう……ん?」
この落書き……文字?
だいぶ読みにくいけど、これは『ぎんとき』だと思う
そのあとは…『だ』?次は『い』でー……
もしかして……
「『ぎんときだいすき』……?」
『す』がまだ途中なのか線が足りないが、これは多分あの子なりに喜んで欲しくてやったんだろう
「やばい嬉しい……」
この間俺が教えた字を一生懸命書いたのかと考えると、さっきまで憎かったマヨネーズも愛しく思えてくるから不思議だ。
「晋助〜怒らないからこっちおいで」
こんな可愛いことされたら誰だって怒る気も失せる
呼んで少ししてから、申し訳なさそうにその子はこっちに歩いてきた。きっと怒られると思ってる
「晋助これ何て書こうとしたの?」
「……ぎんときだいすきって書こうとした」
ごめんなさい、なんて俯きながら謝られた
「いいよ」
あんまり可愛かったから頭なでなでしてあげる
「銀時、怒ってないの…?」
「怒ってないよ」
だけどマヨネーズはもうやめてねって言ったら必死に首を縦に振った
「銀時、ちゅぅして」
これもこの間教えた。猫の時にしたキスが相当気に入ったらしくて、しょっちゅうせがんでくる
「ん」
ちゅう
「べろは?」
「べろ入れて欲しい?」
「うん」
猫だからなのか晋助は快感に従順で、ただのキスより濃厚な方が気持ち良くて好きらしい