猫杉連載

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「で……なんで君は人間になったんですよ?」






言葉がおかしいのは混乱してるからだ。




猫が人間になるなんて絶対おかしいから!!
今まで生きてきてこんな状況になったの初めてだから。誰だって混乱するよ!





しかも猫耳としっぽは付いたまま。漫画じゃねーんだから。






何を尋ねてもその子は首を横に振るばかりで、本当に何もわからないらしい。





本人がわかんねーことが俺にわかるわけねーよ!!
と心の中で叫んでみたりした。









「と、とりあえず服着る?」




さっきからだけど真っ裸だからねこの子。



俺が服を取りに行こうと立ち上がると、何故かその子も立ち上がる。





俺が歩きだすと後ろを付いて歩いてくる。







なんだか…………可愛いな





いや俺ショタコンとかじゃないから。あれだ、小動物みたいな可愛さ。





「じゃあこれ、着て」



少し小さめのTシャツと短パンを渡す。




すると受け取ったものを少し見つめたあと俺とそれを交互に見始めた。








「あれ、もしかして……着方わからないとか?」








そう尋ねても意味がわからないのか首を傾げている。



「しょうがねーな……」







いつまでもそうしている訳にはいかないのでとりあえず服を着せた。


うわ肌白っ……


その辺の女子高生よりずっと肌は綺麗で白い


いやいや


この子見たところ男の子ですから
しかも猫(?)だから!!




そんなこと考えてたらいつの間にか手が止まっていたので慌ててズボンをはかせた。


やっぱり小さめとは言っても体が細っこいこの子には俺のサイズはでかいみたいだ







「で……えーとぉ、君はその」



「しん……すけ」




「え?」


「なまえ…」



「あぁ……」


さっき俺が適当に付けた名前
ちゃんとわかってんだな
頭良いんだな猫って


「うん……じゃあ晋助」



名前を呼ぶとその子は……晋助は、本当に幸せそうに笑った。

ただ名前を呼んだだけで





「じゃあ俺の名前はわかる?」




「ご主人様……?」



メイドカフェですか

言っとくけど俺そんな趣味ねぇから


「俺の名前は銀時
ご主人様じゃないよ」




「ぎんとき……」

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