禁断長編小説
□In The Room Of……Y章
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出来れば君に、二度と会いたくなかった。
端金で買われて、墜ちるところまで墜ちた僕を、見られたくなかった。
君の記憶の中だけでも、綺麗で天真爛漫なままでいたかった。
会いたくないくせに、いつも君のことを思っていた。男に抱かれても、心折れずにいられたのは、君と重ねてたから。
再会した君は、僕がみた幸せで残酷な幻想かと思った。でも君は現像だった。
会いたくなかった。
君に会ってしまってから、これ以上汚れたくないと心が叫び始めた。あの人に指一本触れられるのも、堪らなく苦痛になってしまった。
叶わぬ夢だとしても、出来るだけ綺麗なままで君に抱かれたいから……