禁断短編小説

□時には邪魔が入ってもいいかもね。
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『ね!ハンギョンヒョン、俺新しい中国語覚えたの!聞いて聞いて!』



まるでテストで100点を取った小学生みたいに誇らしげに、目をキラキラ輝かしてドンヘはソファーに座って雑誌を読んでいるハンギョンヒョンの隣に座った。



あ……隣座ろうと思ったんだけどな………。



『いいですよ。ドンヘは学習意識が高くて偉いですね^^』



ハンギョンヒョンは瞳を細めて優しく笑った。ワンテンポ遅れてドンヘの拙い中国語の意味が分かったのか、少し発音を直すと『よくできました^^』と言って、頭を撫でた。



その顔は本当に嬉しそうで。いくら中国活動があるからだといえども、自分の国の言葉をどんどん吸収していくドンヘが、可愛くてしょうがないって感じで。



ダンスのフォーメンションを覚えるのは容易いのに、勉強になった途端、下降の一途を辿る貧相な記憶力の持ち主の俺は、シェイシェイ、ニーハオ、ウォーアイニーぐらいが限界だ。



愛嬌もあって、甘え上手で自分の国の言葉を覚えてくれるドンヘを、意地っ張りで可愛げがなく、恋人の母国語をろくに知らない俺より可愛がるのは無理もないことなのかもしれない。



ハンギョンヒョン達が中国から帰ってきたのが昨日。2ヶ月ぶりの再会に、昨日はメンバー全員でどんちゃん騒ぎの酒宴が催された。その席でも、そして朝になった今になるまで、俺達はまだ一言も話していない。



ねぇ、ヒョンの恋人は俺なんだよね……?
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