禁断短編小説

□素直じゃない俺の君へのアプローチ法。
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俺はわざと不機嫌そうな顔をして、頬杖ついて貧乏揺すりをしてだまりこくる。





そんな俺に恐る恐る、そろりそろりと近づくアイツ。つか俺そんな殺気づいてるか(´∧`)?






『ヒチョルヒョン………今大丈夫??』


『ドンヘか………あぁ』








そう。最終兵器のアイツとはドンヘのこと。





『ヒチョルヒョン、これ……あそこのシュークリームにはかなわないけど………





ドンヘはそう言って、俺の目の前に何やら沢山入ったコンビニの袋を置いた。




『なんだ、これ




不思議に思った俺が袋の中を覗くと、色んなコンビニを梯子して買ったと思われる、沢山のシュークリームが入っていた。





『抹茶味に、こっちはティラミス味………パイシューにジャンボシュー、k-mart限定のホワイトチョコレート味…………お前これ全部1人で買いに行ったの





ソウルの冬の寒さは厳しく、夏期よりも出歩く人の数もぐっと少なくなる。そんな寒空の下、コンビニを梯子しているドンヘの姿が目に浮かんだ。





『うん、あ〜でも後セブンイレブンさえ回れればコンプリートだったんだけど、あそこの角の潰れちゃっててさぁ……』





まるでトレーディングカードのコンプリートが出来なかった少年みたいに、残念そうに話すドンヘの鼻の頭が赤らんでいる。寒かっただろうに………






ギュッ………




俺は気づけばドンヘを抱き締めていた。
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