土×榎novelA

□忘年会
1ページ/1ページ



箱館政権蝦夷共和国の忘年会は、港にある某料理店の二階で行われた。

「そんじゃ!今日は無礼講で好きにやっちゃってっ!来年も宜しく!乾杯っっ」

榎本の堅苦しい話しは全部すっ飛ばしてさっさと呑むぞコノヤロー!な挨拶、
拍手の後、皆がビールのジョッキを持ち上げたが、榎本の中身は空

「あれ、すいませーん、生ビール追加!」

直ぐに置かれたジョッキに軽く口を付ける


「で、なぁ釜さん。いいか、今の英国と仏国の情勢から言えば…うんたらかんたら」

「はいはい、」

と大鳥と雑談しながら榎本が持ち上げたジョッキがまた軽い。
そんなに飲んだかな?と榎本はまた追加

「〜で、あるからしてな…あーだこーだ」

「うんうん、」

一息つき、ジョッキに手をかけた榎本が見たのは

「げッ!?」

榎本のジョッキに顔を突っ込み、ぐびぐびとビールを飲む土方の姿だった。

頭には酔っ払いサラリーマンの正装とも言えるネクタイを巻いている。

土方くんんんんんっ!?

「榎本さん、今夜は無礼講ら、呑むしかねぇだろぃ」

もはや眼が据わり呂律が回っていない。

酔ってるぅううう!!


「いつの間にっ!?誰だこの人に呑ませたの!?危ないでしょーがっ」←?

「アンタにゃ、いつも影から支えてもらっている。ほんろうにかんひゃ、ひているぜ」

「ひ、土方君、そんなに一気に飲まなくても、もう少しゆっくり」

「俺は飲むより飲ませるのが好きだ!」

「何の話しィ!?」

榎本の唇に土方が噛み付いた

「ふぐッッ!?」

「うわー!?、副長ぉお!」

無礼講よろしく土方にパニックを起こす新選組

「さっき好きにヤれっつったのアンタだろーっ。好きにヤらせろ!」

「ヤるの意味が違ーう!!
全く、油断も隙もないんだから!」

シャツを無理矢理剥ぎ取ろうとする土方の腕を榎本が掴み抵抗する

「いい加減にしてよ!」

「じゃあアンタがビール、一気飲みしてくれたら大人しくしてやる」

「え、そんなんでいいの?」

フと出されたあまりにも簡単な要求に榎本が驚く

「釜さん、油断するな。絶対なんか企んでるぞ」

大鳥がやんわりとたしなめるが酔っ払い土方は地団駄するがごとく畳をバシバシ叩いて悶える

「アンタの一気飲みが見てぇの!」

「分かった分かった、一杯だけだからね」

「コラ釜さん!」

「\(^o^)/」

差し出された生ビールの大ジョッキを皆が見守る中、榎本は問題なく飲み干し。
思わず周囲から拍手が起こった

「見事な飲みっぷりっ!」

「総裁!カッコゥイイ!」

また賑やかな忘年会に戻る一同


「榎本さん、手水に行きたくならねぇ?酒には排尿作用があるからな」

土方が榎本の横で期待の眼差しを向けながら頭をもたげる

「全然、大丈夫。さっき行ったばかりだから」

「謀ったなテメェエエ!」

「君が勝手に期待したんでしょうがっ!」

「くそッ」



終る。
-------------
今年の〆がこんなのでスンマセン。たぶん来年もこんな感じの人達です(笑)

一気呑みはしちゃいけません




[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ