京都土方攻novel

□渇望に満ちる夜
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「…今夜はえらく積極じゃねぇか。何かあったか?」

別にも何も、斎藤は答える代わりに土方の首筋に吸い付いた。

何かあった等と聞く土方も分かっている筈だ。
近頃は、何も無かった。
無かったからこそ、斎藤は焦れた。
常に駆け足のよう忙しない日常なのはお互い様で、
見廻りやらで屯所を空ける事が多い斎藤と、執務漬けで部屋に隠る土方は出歩くとなれば会合くらいだ。
擦れ違う時は一言も会話すらしない日もある。
そして久々に土方から声を掛け夜に屯所を出て直ぐ、二人は連れ込み宿に入った

そこで箍が外れたよう斎藤は土方を敷かれていた布団に倒し、唇を重ねた。
一度、軽く触れ合わせた後は深く貪り合い。
ふ、と苦し紛れに斎藤が鼻に掛かった声を出して離れ。土方に絡み付くような視線を向けた。

既に熱で上気し潤みながら縋ってくる眼に土方は苦笑を浮かべる

「イチイチ俺を伺わなくていい。続けろよ」

斎藤は土方の肩口に額を擦り寄せながら手を下腹部に滑らせ、
性急に乱しただけの着物の裾から土方のに触れると、そこは少し硬い

「…座って、下さい」

欲に染まる眼で蝋燭の淡い灯を反射し鈍く艶めかせ。
薄い唇に舌を這わせる様は土方の期待を煽った





「ん…っ、」

長めの前髪を片耳に掛け、斎藤は土方の茎を咥える。
片膝を曲げて脚を投げ出し間に斎藤を跪かせる土方はそれをただ慈しむよう細めた眼で見下ろし、頬を掌で包む。
しかし、それすら斎藤には邪魔なのか
口に納まり切らない部分を手で扱き。舌で裏筋を撫で上げ亀頭は軽く抉る。
頭を懸命に上下に揺らして斎藤は夢中で貪り続けた。

次第に土方の息が乱れ熱っぽい吐息が交じると、斎藤は含むのを止め。
煽情的に側面を舌全体を使って舐めた


「…は、やく、欲しい…。副長…」

「オメェが焦らせるから持ちそうもねぇや…そのまま一度出させろ」

土方は口許を吊り上げ斎藤の頭を掴んで自身を咥えさせた。
ぐ、と眉を潜めえずくのを喉奥で堪え斎藤はそのまま頭を上下に揺らし。
土方の迸りを咥内に納め。
ごくり、それを喉へ流し込んだ。

口元を手の甲で雑に拭い、布団の脇に置かれた小さな瓶を持ち土方の脚を跨いで乗り上る。
瓶の中からフノリを指先で絡め取り。その白濁の液を、襦袢を捲った双丘の間に塗り込むよう手を滑らせた

「つ、…ふ、ぁ…」

自由な方の掌は土方の肩に預け、額を肩口に擦り付けながら斎藤は秘部を自ら嬲る。
クチクチと湿った音、粗い斎藤の息遣いだけが部屋にしっとりと流れ続け。
土方はただそれを面白いと言いた気に微笑を歪ませ客観した。


「ふ、ちょ…も、きて」


急速な呼吸に邪魔されながらも必死に懇願され、土方は躊躇無く一思いに茎を奥目掛け突き挿した。
滑りは充分に良くグチュンと卑猥な音を立て難無く埋まった瞬間、
密部を零れるフノリが数滴辺りに飛び散り斎藤の襦袢を汚す。

下からの圧迫に身体を硬直させた斎藤の腰元を片腕で土方は支えたが、
息つく間も無く斎藤はまた自ら動き始め腰を浮かそうとして
内震え身動き儘ならず。
遂に断念して力を抜き大人しく土方の腕に納まった。
久方ぶりに受けた胎の膜が擦れる強い刺激に躯は従順で悦に入り切っている。

なんとか浅い呼吸を整えようと懸命に吐息を吐く肩口に埋る斎藤に土方は喉を震わせて小さく笑い、
こめかみを一筋流れた玉の汗を唇で拭った



「なに急いでンだ?」

「早く、欲しくて…」

「今日のお前、さっきからそれしか言わねぇな」

「…副長、」

これ以上焦らすな。と眼で訴える斎藤。
土方には焦らしているつもりは無く。ただ斎藤が独りよがりで先走っているから土方が追い付いていないだけのように思う。
まぁ、土方はそんな事を閨で突っ込むほど野暮で無く。寧ろあのまま最後まで愉しみたかったくらいだが、
斎藤の気力が薄れているので、土方は慈しみに
契りが離れないよう腕で支えたまま静かに斎藤を下にしてゆっくり布団へ倒した


「言われなくても、好きなだけくれてやるよ。俺だって欲しいさ、」

オメェが、と耳許を震わす声に斎藤が軽く息を詰まらせた。
その台詞が揶揄った口振りなのが斎藤としては舌打ちしたい限りでも、身体だけはやはり素直らしい
言ったのと同時に締まった結合部に土方はクツクツ声を出して笑った。



「あっ、つ、…ン゙、」

「ハジメ…」

突き上げる動作と一緒に、斎藤の腰元が揺れる。

土方は再び斎藤に促されるがまま胎へ欲を吐き出し。
押し出されたように斎藤も自らの熱で腹部を汚した。

徐に斎藤が腕を真上へ伸ばし、直ぐにそれを土方が捉え自分の首に掛けてやる


「まだ、足りない…」

斎藤は土方を腕で引っ張り、唇を重ねた。
中を掻き回す斎藤に土方は好き勝手を許す。


普段は顔色を一つも変えず人斬りに徹し、まるで無欲で沈着な素振りを見せるばかりの斎藤が、
必死で貪欲に求めている様や、渇望に揺れて鈍く光る眼は
妖艶でいて、人間味が溢れていて、酷く土方の自尊心を擽るから堪らない。


土方は与えようと斎藤の髪に触れ引き寄せ。
斎藤は己が求めるだけ土方を縋る形で掻き抱く。

今宵は渇望に満ちるがままに





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メグ様から頂きました土斎です。リクエスト有り難うございました!

稀には年相応に甘えてみたりメッチャ強張ったり、必死な斎藤さん。可愛い気がします…(涎)
そして惜し気も無くメッチャ甘やかす副長が好き



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