Paordy-novel

□summer holidays
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山でキャンプや海で海水浴。プールから夏祭りに花火大会…
特に野村のような年中無休のアウトドア派なお祭り男にとって、夏のイベントはどれも目白押しで魅力的なものだ

さっそく夏休み近くになると、アレやコレやと予定を組む野村に誘われる。
こんな時ばかり、頭の回転率が早いのも野村らしいのだが

夏休み前に行われるテストに悩まされるのもまた頷ける…。
野村にとっては赤点を採ろうものなら死活問題にでも成るだろう、
薔薇色の夏休みも追試の日々に変わってしまうのだから……





「…あ゙〜〜止めだ!ちょっと休憩しねぇか?」

「さっき休んでから一時間も経ってないぞ」

シャーペンをノートの上に放り投げた野村に大野が苦笑いを浮かべる。
いま、寮の俺と野村の部屋で大野、安富を呼んで勉強会中だ。


事の発端は昼間、
教室で今年も早くから夏休みに浮かれた野村に色々な誘いを受けていた時、
突然、担任から俺と野村に呼び出しが掛かった。



担任が使う職員準備室…又の名を「鬼の魔窟」などと生徒らの間で噂される場所へ向かう

中に居るのは鬼…いや、鬼と言われる教師がディスクに向かっていた。


何かまた野村が悪行でもしただろうか…?
少し身構える俺達に担任、土方さんが静かに口火を切る


「野村…お前ぇ、今から夏休み云々と、騒いでるつもりじゃねぇよな…?」

「流石は土方さん。聞いてたンっすか?」

ギロリと精悍溢れる眼が野村に向けられるが、
俺の心配は余所に本人だけは相変わらず満面でヘラヘラ


すると土方さんは立ち上がり野村の元へ歩み寄ると、
顔面近く覗き込んだ


「去年のこと、忘れたとは言わせねぇ」

「き、去年っすか?勿論ですよ…あン時は世話になりました」

みるみる野村の額から汗が滲み出る。

そう、去年の今頃。
確か去年のテスト期間も、今日のように猛暑だった
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