榎本他CP

□LUST
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 ※…土榎・松鳥前提




まだ明るい昼間にもかかわらず、厚いカーテンを引いた榎本の部屋は薄暗く。
隙間から溢れる明るさが、甘く漂う淫靡な空気を助長している。
一歩、部屋に入った時から交わす貪るようなキスの濡れた音が絶えず室内に響いている。


「はっ…、がっつきすぎ」

「どちらが?」

「そっちが」

「アナタこそ」

閉めたばかりのドアに背を預け松平は、艶やかに光る榎本の唇に弧を描いた己のを重ねた。
すぐに入り込んだ榎本の舌に、本当にがっついているのはどちらかと問いたくなる。
押し付けられた体は熱く、松平の足に擦り寄る腰は、この先の行為に期待をしてかすでにその存在を硬くさせていた。

「真っ昼間っからこんなにして、いけない人だ」

「っタロさんだって、人のこと言えんの」

松平が言いながら膝頭で榎本のそこを擦り上げる。
途端に跳ねた体を誤魔化しながら悪態を吐く榎本が、淫らで可愛らしいと松平は思う。
愛情ともまた違うその感情は、二人の間で確かな形を持っているのに、それはこうした行為があるからこそ成り立っている。
セックスありきの感情と関係。所謂セフレと、いつだったか榎本が行為の後の気怠げな表情をへらりと緩ませて言っていた。

するりと尻を撫でれば松平の首筋に榎本の吐息が触れていく。
そのまま唇を押し付けられて、小さくそこに噛み付かれた。

「こーら、おイタはいけませんね」

「ふふっ。バレたら小鳥がうるさいもんねー」

くすくすと声をこぼしながら変わらず榎本が松平の首を甘噛みする。
戯れるように歯を立てては、うっすらと付いた歯形に舌を這わせ、ゆっくりと舐めあげる。
それを咎めるでもなく好きなようにさせていた松平の小さな溜息が、不意に榎本の耳元に落ちた。

「これが見付かって困るのは貴方の方でしょう。怖い常勝将軍サマに殺されちゃうのでは?」

「んー…そうかもね。寧ろタロさんがヤラれちゃうんじゃない?」

「いえ、私はヤラれるよりヤル方がいいんですが」

「んっ……っ、バーカ」

悪戯に笑いながら服の中に滑り込ませた松平の手が、榎本の肌を味わうように触れていく。
親指ですでに立ち上がっている胸の突起を押し潰せば、息を詰めた榎本は淫靡に笑った。
このままここでと思っていたのに、榎本がやんわりと松平の手を取り、ソファーへと歩みを進めていく。
先に寝転んだ榎本の腕が松平の首へと回り、促されるまま覆いかぶさった。
2人分の体重を担わされた椅子は責めるようにギシリと泣く。

「早くシないと、ピーチク煩い小鳥から呼び出し来ちゃうんじゃない?」

「そうですねぇ、巡察中の軍師サマがうっかり帰って来るかも、しれないですからね?」

お互い、大事な人がいる。彼らを裏切っている罪悪感もある。
けれどそれ以上にその背徳感がたまらない。
最低のスリルを楽しんでいる愚か者だと罵られても、構わない。
きっと……



「はは、堪らない、ね」


この関係は、終わらない。




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勢いだけで書きました。後悔はしてない…。
最近、総裁の方向性がまたオカシな事になりつつある我が家です。





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