黒×榎novel

□ну и что.
1ページ/1ページ


口の中が痛い。いや、痛いのは舌だ。ひりひりする。
気になって気になって気になって、了介の話も上の空。痛いよ、何したんだろ。
ビールを飲むとかなり滲みる。いつもは最高に思う泡の発泡が痛い。呑めないし、進まない。
なのに、自分の前で了介はいつも通りにグイグイ呑んでる。羨ましいぞコラ。
そして、進んでいない自分にか、呑めば思わず不味そうに呑む自分に気付いたのか、傷のことばかり気にしていたら了介は吸っていた葉巻を灰皿に置いた。
どれ?と言いながらキスされる。見てくれるんじゃないんだ。
ビール味の舌が捩じ込まれて、口内をまさぐり、舌を重ねてくる。
そしたら了介は難なく傷を見つけた。ぺろっとそこを舐められる。
ひ。痛い。熱くてじんじんする。
了介の髪を掴んで離そうとしても勝手に舌の傷ばかり舐める。
こら。待て。思い切り髪を引っ張ると痛い痛いと了介はやっと離れた。私の方が痛いわバカ。


「治るまでチューしない。ビールも我慢する」

えええ、了介は不機嫌な顔をした。

「ないごてじゃあ榎本さぁ〜!チューくらいはいいじゃろ」

「だって、絶対に舌触るからイヤだ」

えええ、了介はまた文句をあげる。なんで了介が嫌がるのかが分からない。了介まで呑むなとは言ってないのに。


ああ、ビールの発泡が痛いなら、発泡してない日本酒なら呑めるかな。









-------------
くしゃみをしたら舌を噛みました。そしてビール飲んだら見事に滲みました。でも、たまたま手元にあった焼酎を試しに呑んだら、やっぱり滲みました。
そー言えば、消毒液って傷に滲みて痛いんでしたね。




[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ