土×榎novel-SS

□Afecto…?
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今日は街に出て息抜き…
なんて建前上だけで
土方くんと二人っきりのデートなんだよね

天気も良好だし。
正しくデート日和。
太郎ちゃんにお願いして、圭介に掛け合って。
無理矢理に予定合わせて良かった

誘った時は渋々だったけど。
乱暴なようで律儀な人だから、ちゃんとお願い聞いてくれて

「待たせたな―…」

ほら来た!

「「こんにちはぁ〜」」

「……え?」

待って無いよって言って、一目散に飛び付こうとした足が止まった

彼の脇から顔を出して、声を揃えて憎らしいくらいの笑みを浮かべるのは、
彼の小姓の鉄くんと。
一応だけと私の小姓でもある銀ちゃんだ

「たまには、一緒に連れてってやるのも良いだろ?」

子連れ!?って思わず言いそうになった。

この展開は予測してないよ。
今までのドキドキとウキウキを返して欲しい…

「あの…本当に、俺たちもご一緒させて頂いてもいいんですか?」

「あ、うん。構わないよ」

「有り難う御座います。総裁」

かなり謙虚な鉄くんだけど、それとは違って天使のように微笑む銀ちゃん

「ホントは、ワザとに来たんでしょ…?」

「まっさかぁー。総裁だけ先生を独り占めしてるからって、別に邪魔しようなんて思ってないですよー」

「っ……」

黒い尻尾が丸見えだよこの子。
可愛さも度が過ぎると、憎さ百倍ってヤツだ。
鉄くんの謙虚さは本物だろうから許してあげるけどさ

「なに二人で話してンだ?早く行くぞ」

「ほら、行きますよ総裁。今日は先生が許してくれたんですから」

「…君って、いい性格してるよね〜…」

いつの間にか少し離れてた距離を、銀ちゃんに腕を引かれる。
相変わらず土方くんには聞き分けが良くて、猫かぶり…


「なに拗ねてンだよ」

「拗ねてない」

拗ねて無いけど何か悔しいから、腕掴んで歩く事にしよう。
その反対側には当たり前のように、同じく彼の腕に絡まってる銀ちゃんと。
それを見てる鉄くんが居るんだけどさ

「最近じゃ、奉行に詰めててアンタと顔合わせてたけど。コイツらとは一緒に居てやらなかったから、今日はその穴埋めだ」

これが慈母ってやつ?単なる親バカ…?
うぅ…そんな風に言われたら何も言えないじゃん

「先生、良の見舞いにお土産持って行きませんか?」

「そうだな」

「二人で行けば良いのに…」

「総裁、何か言いました?」

「べっつにぃ〜…」

こんな小悪魔に、せっかくのデートを邪魔されちゃ堪んない。
どうにか隙をみてマイてやる…っ!!
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