箱館他CP
□まるで猫と犬
3ページ/3ページ
「甲賀くんだけズルい!にゃんこと遊びたい!!」
「にゃんこ言うな!なんなんだよ昼間っからずっと」
夜分遅くに奉行所内に響く怒鳴り声。
甲賀が拾った猫をえらく気に入った榎本は、休暇の松平をいい事に仕事を抜け出し、総裁警護に当たっていた土方が連れ戻した後も源吉を気に掛け続けていた
「にゃんこー!」
「ッるせぇぇぇ!!」
ソファーで読書中の土方の上に乗っかり、甘え続ける榎本に滔々、土方がキレた
「連れて来てやっから大人しく待ってろ!」
「やったぁ〜vV」
余りにも煩い榎本に痺れを切らした土方は甲賀の部屋へ向かった
「って事で、その猫を貸してくれ;俺の仕事にも支障をきたす」
「分かりました…;」
源吉が何故、土方の仕事に支障をきたすのかは疑問だが、甲賀は源吉を土方に預けた
《に゙ゃッ!にゃ〜!》
昼間の事が余程トラウマになっているのか、土方が持った途端に源吉は暴れだした
「どうした?源吉;」
「昼間のありゃ冗談だ」
「?」
昼間の事を知らない源吾は首を傾げる
「猫なんざ、獲って喰ったりしねぇよ」
《にゃぁ〜…》
榎本にキレた土方の表情では冗談に聞こえない。
「源吉〜vV」
《にゃん》
「これで満足か」
と言う土方の言葉すら浮かれる榎本に聞こえていない。そして土方の手から解放された源吉は榎本に甘える
「うゎ、くすぐったい」
そして源吉は榎本の頬を小さな舌で舐めだした
「待てコラァァァ!!テメェ、調子に乗ンじゃねぇ!」
《にゃあ?》
勝ち誇った様にバッくれる源吉。
「叩っ斬ンぞ!!」
「ちょっとヤメてよ!何で怒るの?;」
土方から庇う榎本の腕の中で源吉は幸せそうだ
「たとえ猫でも許せねぇ」
「はぁ?;」
土方はテーブルにあったワインボトルを冷していた小さなバケツの氷を投げ、その中に嫌がる源吉を入れた。
《に゙ゃ〜!》
「嫌がってるよ?;」
カリカリとバケツの壁を爪でもがく源吉に榎本が手を伸ばすが、その手は呆気なく土方に掴まれた
「そんなに猫が好きなら、今日は猫の前で猫みたく鳴かせてやる」
「にゃ…?;」
そして結局、仕事をそっちのけで容赦無く榎本はベッドで、源吉もバケツの中で一晩中鳴いていましたとさ
終
【猫と土方さん】
●●