キリ番
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※ED後捏造。同棲しちゃってます。
※リク内容は微裏、だけど、ほとんど裏のような気が…。
トントントントン…
ありふれた生活音で目が覚めた。
ハニー・ムーン
爽やかな風がカーテンを揺らしている。ロイドは身を起こして大きく伸びをした。
寝間着を脱ぎながら、窓の外を見やる。洗濯日和だ。
簡単に着替えを済まし、階下に降りていくと、台所に立っていた影が振り返った。
カッターシャツにスラックス、そしてその上に紺色のエプロンを纏った、最愛の人。
「おはよう、ロイド」
「おはよ、クラトス」
後頭部を引き寄せて、おはようのキス。この生活を始めた当初、クラトスはそれこそ真っ赤になって慌てたものだったが、今では慣れたのか、幸せそうにはにかむだけだ。
それが不満かと言われれば、そうではない。その照れ笑いは溶けそうなくらい可愛くて、こちらまで幸せになれる。
つまりロイドは、この生活にとても満足していた。
ロイドとクラトスは、ダイクの家の近くに家を建て、そこで二人で暮らしていた。たまにダイクと三人で食事をしたり、旅の仲間が訪ねてきたりするが、基本的には二人きり。そこかしこに甘い空気が漂うのは必然で。
ゼロス曰く『もう新婚じゃないのにラブラブっぷりが持続しちゃってる夫婦、ってカンジ〜?』とのことだが、これには誰もが頷いた。
…ことあるごとに茶化しはするが、皆、喜んでいるのだ。擦れ違い辛い思いをした二人が、幸せに暮らしていることを。
ロイドが顔を洗って戻ると、もう包丁の音は止んでいた。
「今日の朝飯、なに?」
「トーストとサラダとベーコンエッグだ」
「へぇ、クラトスの料理はいつも美味しいから、楽しみだぜ」
「…大袈裟なやつだ」
そう言いつつも、まんざらでもないようだ。桜色に染まった貝殻が、髪の間から覗いている。
どきん、と。心臓が跳ねた。
後ろから抱きついて、手元を伺う。そんなに切る量は多くなかったのだろう。もう刃物を使う場面はなさそうだ。
「クラトス…」
常より幾分か低く囁く。細身がぴくんと強ばるのを感じた。
「ロイド…っ?こら、まだ調理が終わってな…」
「ごめん。でも、クラトスが食べたい」
白い頬に、ぱっと朱が広がる。
クラトスの恥じらう姿なんて、それこそ飽きるくらい目にしているはずなのに。どうしようもなく、欲情してしまう。
彼を抱きしめていた腕が、不埒な動きをし始める。脇腹を撫で上げ、エプロンとシャツの間に入り込んで胸元を這う。どこが弱いかなんて、ロイドはもう知り尽くしていた。
「ぁ……ッ」
焦らすような動きをしていた指先が、突起を摘み、こねくり回す。薄いカッターシャツ越しのもどかしい刺激が、逆にクラトスの性感を煽ったらしい。調理台の縁を掴む手に、ぎゅっと力が入った。
「ふぁ、ん……はッ」
「気持ちいい…?」
左手を胸の突起から外して、そっと下肢を撫ぜる。途端、過敏に反応する体に、ロイドは自然に笑みを浮かべていた。
「気持ちいい、んだな」
耳元で囁けば、かぁっと音がしそうなほど赤面する。幾度となく体を繋げているのに、反応はほとんど変わらない。それがロイドには、無性に愛しかった。
スラックスと下着を下ろし、既に反応している下肢を握りこむ。ゆっくりスライドさせれば、もどかしげに腰が揺れた。そのたび、先端がエプロンに擦れて蜜を零す。
「あ、ぁ、やぁ…っ、」
「クラトス、可愛い…」
クラトスの反応を見ながら、手の動きをゆっくりと、だが確実に早めていく。その間にも、右手はいたずらに這わされて、クラトスにイレギュラーな刺激を与えた。
「ぁう、ロイドっ、も……!」
「イく?」
ロイドの問いに、首がこくこくと上下に振られる。それに笑みを浮かべて、先端に爪を立てる。同時に、耳の後ろに吸い付き、跡を残した。
数ヶ所への刺激に、クラトスの体は大きく震えて。
「あァッ、あ、あ、ーーーーッ!!」
ロイドの手の中に、白濁を吐き出した。
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「うん、やっぱうめーよ。玉子の焼き加減が丁度いい」
「フ、褒めても何も出んぞ?」
和やかな朝食風景だが、あの後は大変だった。
調理の邪魔をされて臍を曲げてしまったクラトスが『今日は朝食抜き!』と宣言したため、ロイドは今日の洗濯(汚れてしまったエプロン含む)を引き受けることと、風呂あがりに肩揉みすることを約束する羽目になった。自業自得と言われればそれまでなので、文句は言えないが。
(飯抜きの方が困るしな)
だから今一番困っていることと言えば、体の中で燻っている熱を持て余していること、だったりする。
フォークを置き、落ち着こうとコーヒーを啜る、と。
「……ロイド」
「ん、なに?」
返事をすれば、ほわりと目元が染まる。伏せた目と相まって、不思議な色気を醸し出していた。
(…って!大変下半身によろしくないんですけど!)
必死に欲望と戦うロイドだが、しかしながら、次の発言は更によろしくないものだった。
「その……この後なら、仕事も入ってないし、構わない、ぞ…?」
おまえは達していないのだし、辛いのだろう?、と。
そんな風に誘われて自制が出来るほど、ロイドは出来た人間ではない。
「クラトスッ…」
衝動のまま、クラトスを椅子から引きずり下ろし、ラグマットの上に押し倒した。そして、シャツのボタンに手を掛け――
「「ロイド、クラトスさん!遊びに来たよーっ!」」
タイミングの良すぎる来客に、ロイドは肩を落とし、クラトスは苦笑したのだった。
END
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立夏さまに捧げます。
タイトル提供元:joy様
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