キリ番

□11300
1ページ/1ページ

※ED後捏造。同棲しちゃってます。
※リク内容は微裏、だけど、ほとんど裏のような気が…。






トントントントン…

ありふれた生活音で目が覚めた。





ハニー・ムーン





爽やかな風がカーテンを揺らしている。ロイドは身を起こして大きく伸びをした。
寝間着を脱ぎながら、窓の外を見やる。洗濯日和だ。

簡単に着替えを済まし、階下に降りていくと、台所に立っていた影が振り返った。
カッターシャツにスラックス、そしてその上に紺色のエプロンを纏った、最愛の人。

「おはよう、ロイド」

「おはよ、クラトス」

後頭部を引き寄せて、おはようのキス。この生活を始めた当初、クラトスはそれこそ真っ赤になって慌てたものだったが、今では慣れたのか、幸せそうにはにかむだけだ。
それが不満かと言われれば、そうではない。その照れ笑いは溶けそうなくらい可愛くて、こちらまで幸せになれる。
つまりロイドは、この生活にとても満足していた。



ロイドとクラトスは、ダイクの家の近くに家を建て、そこで二人で暮らしていた。たまにダイクと三人で食事をしたり、旅の仲間が訪ねてきたりするが、基本的には二人きり。そこかしこに甘い空気が漂うのは必然で。
ゼロス曰く『もう新婚じゃないのにラブラブっぷりが持続しちゃってる夫婦、ってカンジ〜?』とのことだが、これには誰もが頷いた。
…ことあるごとに茶化しはするが、皆、喜んでいるのだ。擦れ違い辛い思いをした二人が、幸せに暮らしていることを。




ロイドが顔を洗って戻ると、もう包丁の音は止んでいた。

「今日の朝飯、なに?」

「トーストとサラダとベーコンエッグだ」

「へぇ、クラトスの料理はいつも美味しいから、楽しみだぜ」

「…大袈裟なやつだ」

そう言いつつも、まんざらでもないようだ。桜色に染まった貝殻が、髪の間から覗いている。

どきん、と。心臓が跳ねた。

後ろから抱きついて、手元を伺う。そんなに切る量は多くなかったのだろう。もう刃物を使う場面はなさそうだ。

「クラトス…」

常より幾分か低く囁く。細身がぴくんと強ばるのを感じた。

「ロイド…っ?こら、まだ調理が終わってな…」

「ごめん。でも、クラトスが食べたい」

白い頬に、ぱっと朱が広がる。
クラトスの恥じらう姿なんて、それこそ飽きるくらい目にしているはずなのに。どうしようもなく、欲情してしまう。
彼を抱きしめていた腕が、不埒な動きをし始める。脇腹を撫で上げ、エプロンとシャツの間に入り込んで胸元を這う。どこが弱いかなんて、ロイドはもう知り尽くしていた。

「ぁ……ッ」

焦らすような動きをしていた指先が、突起を摘み、こねくり回す。薄いカッターシャツ越しのもどかしい刺激が、逆にクラトスの性感を煽ったらしい。調理台の縁を掴む手に、ぎゅっと力が入った。

「ふぁ、ん……はッ」

「気持ちいい…?」

左手を胸の突起から外して、そっと下肢を撫ぜる。途端、過敏に反応する体に、ロイドは自然に笑みを浮かべていた。

「気持ちいい、んだな」

耳元で囁けば、かぁっと音がしそうなほど赤面する。幾度となく体を繋げているのに、反応はほとんど変わらない。それがロイドには、無性に愛しかった。

スラックスと下着を下ろし、既に反応している下肢を握りこむ。ゆっくりスライドさせれば、もどかしげに腰が揺れた。そのたび、先端がエプロンに擦れて蜜を零す。

「あ、ぁ、やぁ…っ、」

「クラトス、可愛い…」

クラトスの反応を見ながら、手の動きをゆっくりと、だが確実に早めていく。その間にも、右手はいたずらに這わされて、クラトスにイレギュラーな刺激を与えた。

「ぁう、ロイドっ、も……!」

「イく?」

ロイドの問いに、首がこくこくと上下に振られる。それに笑みを浮かべて、先端に爪を立てる。同時に、耳の後ろに吸い付き、跡を残した。
数ヶ所への刺激に、クラトスの体は大きく震えて。

「あァッ、あ、あ、ーーーーッ!!」

ロイドの手の中に、白濁を吐き出した。



------



「うん、やっぱうめーよ。玉子の焼き加減が丁度いい」

「フ、褒めても何も出んぞ?」

和やかな朝食風景だが、あの後は大変だった。
調理の邪魔をされて臍を曲げてしまったクラトスが『今日は朝食抜き!』と宣言したため、ロイドは今日の洗濯(汚れてしまったエプロン含む)を引き受けることと、風呂あがりに肩揉みすることを約束する羽目になった。自業自得と言われればそれまでなので、文句は言えないが。
(飯抜きの方が困るしな)
だから今一番困っていることと言えば、体の中で燻っている熱を持て余していること、だったりする。
フォークを置き、落ち着こうとコーヒーを啜る、と。

「……ロイド」

「ん、なに?」

返事をすれば、ほわりと目元が染まる。伏せた目と相まって、不思議な色気を醸し出していた。
(…って!大変下半身によろしくないんですけど!)
必死に欲望と戦うロイドだが、しかしながら、次の発言は更によろしくないものだった。

「その……この後なら、仕事も入ってないし、構わない、ぞ…?」

おまえは達していないのだし、辛いのだろう?、と。

そんな風に誘われて自制が出来るほど、ロイドは出来た人間ではない。

「クラトスッ…」

衝動のまま、クラトスを椅子から引きずり下ろし、ラグマットの上に押し倒した。そして、シャツのボタンに手を掛け――


「「ロイド、クラトスさん!遊びに来たよーっ!」」


タイミングの良すぎる来客に、ロイドは肩を落とし、クラトスは苦笑したのだった。




END


------
立夏さまに捧げます。

タイトル提供元:joy




count

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ