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□猫になりたい。
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「ちょーだいちょーだい!ご褒美ちょーだいっ!」
「はぁ…うるさいですよ」
鬼眼の狂の居場所がわかった、と彼女は大はしゃぎで帰って来た。
大手柄であったが、少なからず褒めてやるとさらに騒ぐ結果となった。
「少しはしとやかさを身につけたらどうですか?」
「アキラだから、甘えてるんだよ?」
何を言ってるんだ。
よく平気でそんなことが言える…しかも本気だ。
へらへら笑う。
冗談に見せかけて、
いつも本気なのだ。彼女は。
「ねえ…ちょうだいよ…」
ふと小さくなった声に、妥協が生まれる。
いや、すでに。
事は決定していた。
「そんなに、欲しいですか?」
そう声をかけると、
嬉しそうな顔をした。
「…うん!ちょー欲しい!」
相変わらず素直な返事に、微かに口元が緩む。
「…あげますよ」
そっと近づき、意外にも華奢な肩を引きよせる。
「へっ…」
「ご褒美、です」
まぬけなその愛しい口を塞いだ。
*
アキラはそれはそれは優しいくちづけをくれた。
「クス。耳まで真っ赤ですよ?」
「…っ、!…、」
あたしは、
抵抗さえできない。
「さ、行きましょうか」
それはアキラが意地悪で、
それはアキラが優しすぎるから。
クスクス笑う。
いつもそうなのだ。彼は。
(このままついてっちゃうよ?)
されるがままの、
あなたの猫になりたい。
久しぶりです〜><すみません!
旅籠・たけやを探す前くらいですか
どうでもいいけど
甘くしたつもりです…orz
(20080929)