Swёеt
□贈り物
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「う〜ん…どうしようかなぁ…」
自分は休み時間に、自分の席に座ったまま頬杖をついて、窓の外を見ながらため息をつく。
自分が今何に悩んでいるかというと
『ハルヒー!もうプレゼント決まった?』
「まだだよ…。光と馨は決まったの?」
「まーね!馨と二人で選んだんだ。」
「『BVLGARI』の時計!あの人物持ちはいいから、結構迷ったんだよね〜。」
「あ‥‥そぅ‥‥‥」
実は、環先輩の誕生日が来週に迫ってるんです。
当然、自分は何を上げたらいいのか悩む始末。
まさか直接聞くわけにもいかず、例え聞いても、それが果たして自分に買えるような物かも検討がつきません…。
光と馨は、まさにブランド物をプレゼントに選んでるし、彼女の自分が、部活の後輩よりも安い物を上げるのは、なんだか気が引ける…。
「ハルヒ?何そんなにため息ついてんだよ。」
「だって…」
「なんなら家でお金貸そうか?」
二人にとっては親切なんだろうけど、なんか嫌みにもとれる言葉を、自分は丁重にお断りした。
「ご親切にどうも有り難う御座います。
でもいいよ…これ以上借金増やしたくないし…」
『そう?ならいーけどさ。まぁ、ハルヒの場合は殿にとって、オキモチだけでも嬉しいんじゃない?』
「でも、そういう訳にもいかないでしょう?」
本当にどうしようかな?
いっそ、バイトするとか…?
あ!でもうちの学校、バイト禁止だった…
自分は一生懸命に、この日悩んでたのに…部活頃になって
「ハールヒ!来週何の日か知ってるかにゃー?」
「ちゃんと知ってますよ。」
「よ…良かった〜!」
「ふふっ」
誕生日のことを聞かれて少しびくっとしたけど、環先輩の大げさな反応に、笑ってしまった。
「で、でさ!」
「はい?」
「お、俺…」
何故か下を向いて、もじもじする環先輩。
少しの沈黙の後、環先輩は顔を上げて自分に向かって
「俺…ハルヒのお弁当が食べたいっ!」
‥‥‥まさか、本人から直接プレゼントを催促されるとは思いもしなかった。
「えっ…」
「だ、ダメかな…?」
「駄目と言うか…」