Swёеt


□夕焼け
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環先輩は誰にでも甘いけれど、甘えるとしたら限られた人達にだけ。

そんな環先輩に甘えられるのは、もちろん嬉しい。


でも、必ずしも自分にだけとは限らない。




「何だかんだ言って、結局環先輩は部の皆に自分の時よりも甘えて…」




あの時も。この間も。

思い出せば沢山出てくる。




「そりゃあ、皆よりも自分の方が一年分環先輩との付き合いは短いし、頼りにならないし。」




皆は環先輩と、見えない繋がりがあって…


始めは心臓の音を誤魔化すために話し出したことだけど、言い出したらなんだか止まらなくなった。



そんなもやもやとした気持ちで話していたら




「それに…」


「‥‥ぷっ!」


「え?」




いきなり、耳元で抑え込んでいたかのような笑い声が聞こえた。

驚いて反射的に振り返ると、環先輩が口に手を添えて、肩を震わせながら笑っていた。




「な、なんですか?」


「いや…なんだか…」


「なんだか?」




そう聞き返すと、環先輩は自分を見て




「ヤキモチ妬いてくれてるんだなぁって。」




嬉しそうに笑いながら、そう言った。



や…Σヤキモチ!?///




「や、ヤキモチなんて妬いて…っ!」


「だって、そうとしか聞こえないぞ?」


「〜〜〜っ!/////」




そう言われると、さっきから感じてた胸のもやもやに納得がいく。


駄目…今の自分、絶対に顔が赤い…


そんな顔を見せたくなくて、そっぽを向く。




「き…気のせいです…。」


「気のせいだったら…」




そこで言葉を区切ったかと思うと、また環先輩は自分の頬に頬をつけて




「俺の頬に伝わる熱が急に上がったのは、なんで?」




そんなことを聞いてきた。


さっきとはまた違う雰囲気だから、今はそんなことをされたら、更に体温が上がってばかり…




「し…知りませんっ!///」


「え〜?」


「本当です!」




疑い混じりの声を聞き、自分は意地で通すけれど




「嘘だ〜。」




そう笑いながら、環先輩は自分をさっきよりも強く、しっかりと抱きしめてきた。





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