Swёеt
□夕焼け
3ページ/5ページ
環先輩は誰にでも甘いけれど、甘えるとしたら限られた人達にだけ。
そんな環先輩に甘えられるのは、もちろん嬉しい。
でも、必ずしも自分にだけとは限らない。
「何だかんだ言って、結局環先輩は部の皆に自分の時よりも甘えて…」
あの時も。この間も。
思い出せば沢山出てくる。
「そりゃあ、皆よりも自分の方が一年分環先輩との付き合いは短いし、頼りにならないし。」
皆は環先輩と、見えない繋がりがあって…
始めは心臓の音を誤魔化すために話し出したことだけど、言い出したらなんだか止まらなくなった。
そんなもやもやとした気持ちで話していたら
「それに…」
「‥‥ぷっ!」
「え?」
いきなり、耳元で抑え込んでいたかのような笑い声が聞こえた。
驚いて反射的に振り返ると、環先輩が口に手を添えて、肩を震わせながら笑っていた。
「な、なんですか?」
「いや…なんだか…」
「なんだか?」
そう聞き返すと、環先輩は自分を見て
「ヤキモチ妬いてくれてるんだなぁって。」
嬉しそうに笑いながら、そう言った。
や…Σヤキモチ!?///
「や、ヤキモチなんて妬いて…っ!」
「だって、そうとしか聞こえないぞ?」
「〜〜〜っ!/////」
そう言われると、さっきから感じてた胸のもやもやに納得がいく。
駄目…今の自分、絶対に顔が赤い…
そんな顔を見せたくなくて、そっぽを向く。
「き…気のせいです…。」
「気のせいだったら…」
そこで言葉を区切ったかと思うと、また環先輩は自分の頬に頬をつけて
「俺の頬に伝わる熱が急に上がったのは、なんで?」
そんなことを聞いてきた。
さっきとはまた違う雰囲気だから、今はそんなことをされたら、更に体温が上がってばかり…
「し…知りませんっ!///」
「え〜?」
「本当です!」
疑い混じりの声を聞き、自分は意地で通すけれど
「嘘だ〜。」
そう笑いながら、環先輩は自分をさっきよりも強く、しっかりと抱きしめてきた。
━━━━━━━━━━━