Swёеt
□理性
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「ご、ごめんなさい…。でも、手は繋いでも良いよな?」
俺がかしこまるように、小声で聞くと
「手を繋がなかったら、デートにならないでしょう?」
小さく笑って、ハルヒの方から、俺の手を繋いできてくれた。
「‥‥確かに。」
そう当たり前のように手を繋いでくれたハルヒを見て、俺は改めて聞いた俺自身に対して、可笑しく感じて笑った。
俺はハルヒと繋いでいる手を、お互いの指を絡めて繋ぎ直した。
「ハルヒ。今日の服、スッゴく可愛い!」
「えっ///」
そう言うと、ハルヒは俺を見上げて頬を染めた。
その反応を見て、俺は嬉しく思う。
「俺のために、オシャレしてくれたの?」
そう聞くと、ハルヒは恥ずかしそうに笑った。
「まぁ…何時もよりは、気合い入れてますけど。」
そんなハルヒが可愛くて、俺はその赤く染まっている頬に口づけた。
「嬉しいよハルヒ。似合ってる!」
「あ、ありがとうございます…///」
「一時間早いけど…行こっか!」
「…はい!」
俺たちが顔を見合わせて笑ったとき…
「ね〜!本当に今日あの二人デートなワケ?」
「うん。何か鏡夜先輩が、殿の家に遊びに行ったとき盗み聞きしたんだってさ。ね、鏡夜先輩?」
「馨…いつ誰が盗み聞きだと言った?たまたまアイツの嬉々とした声が嫌でも耳に入っただけだ。」
「それじゃあしかたないよねぇ〜!」
「…」
…という会話が、後ろの方で聞こえた。
『Σ?!』
俺たちは驚いて、後ろを振り返った。
すると、やはり予想していた通り…部員たちが勢揃いしていた。
俺はとっさにハルヒを抱き、伏せた。
幸い、俺たちとアイツらの間には腰の辺り程の高さになる植木があり、何とか体を隠せた。
『な、何であいつらがここに来るんだ!?』
俺は自分の下にいるハルヒを抱きしめながら、小声で悪態をつく。
俺たちが身を隠している植木は、間に隙間無く草も生えていて、あっちからバレることはない。
公園には、今の遅い時間帯もあるため、人は俺たち以外いないけど…
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