Swёеt
□贈り物
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ちょっとシュンとした顔を見せる環先輩の顔を見て、この人は冗談じゃなく本気で言っているんだと分かった。
「‥‥‥そんなので、本当に良いんですか?」
「うん!!」
「…環先輩って」
欲の無い人だよなぁ…
「ん?」
次はキョトンとした顔を見せる環先輩。
本当に、ころころとすぐに表情が変わって、面白い人。
ついつい、こっちが笑ってしまうほどに。
でも、そんな所が可愛いと思ってしまう自分がいる。
「…いいえ。そんなのでいいなら、喜んで作ります!」
「ほ、ホントか!?」
今度は、笑顔になる環先輩。
その笑顔につられて、また自然と自分も笑ってしまう。
「勿論。」
「‥‥‥ハルヒっ!」
―ぎゅっ!―
「わっ///」
環先輩が自分の名前を呼んだかと思うと、いきなり抱きついてきた。
‥‥お客さんが居なくて良かった…
「俺、今から誕生日が楽しみっ!」
「先輩…///」
『…あの〜?お取り込み中悪いんですけど、目の前でいちゃつくの止めてもらえますかー?』
環先輩の腕の中で横を向くと、嫌そうな顔をした光と馨がいた。
その光たちに対して、子供みたいなことを言う環先輩。
「ハッハッハ!僻むなこのひねくれ双子!俺はついに…ついにハルヒのお弁当を食べることが出きるんだぞっ!」
【アナタ!アイシテル】
↑(エプロンハルちゃん。勿論、環の妄想。)
「環先輩…」
顔を上げると、自分を抱きしめたまま目を細め、自分の世界に陶酔する環先輩がいた。
「お前の憐憫をそそるような頭は、いつまでたっても進歩しないんだな。」
気づくと、鏡夜先輩が光と馨の後ろに立っていた。