Swёеt


□夕焼け
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それは


沈みかけた太陽の


まるで燃えるような赤を


キラキラと映してた。











『おっつかれ〜ハルヒ!』


「うん。お疲れ様。」


「ハルヒ今日はヤケに指名もらってたよな〜。」


「僕らと同じぐらいにお客さん取るようになったしね。」


「そんなことないよ。」


『うっわ〜!ご謙遜!』


「あのねぇ…」





部活が終わって、もう辺りはすっかり夕方。

自分は光たちと部室を出た所で、ふと、何時もの人物が見当たらないことに気がついた。




「…あれ?」


『殿なら部活が終わった途端に、どっかに走っていったけど?』


「だ、誰も環先輩だなんて言って…」


『言わなくても顔に書いてますー。』


「えっ!?///」


『ウッソー☆』




こ…この二人は!!



見事一杯食わされてしまった自分は、二人の笑いの的。



明日絶対にインスタントコーヒーいれてやらない。


そう自分は心の中で誓った。


でも、本当にどこに行ったんだろう?

自分から声をかける前に、何時も環先輩の方から来るから、ある意味新鮮かもしれない。




「はぁ…もういいよ。自分は環先輩のこと待ってみるから。」


『そう?待っててもあの脳天気王子は帰って来ないんじゃない?』


「良いの!」




また笑い出した二人に怒っていたら




「おい、ハルヒ。」


「あれ?鏡夜先輩。」




もう帰ったと思っていた鏡夜先輩に声をかけられた。




『あれー?鏡夜先輩だ。』


「何ですか?」


「ああ。あの馬鹿からお前に伝言を頼まれてな。」




全く面倒だ。と言わんばかりの顔をして、眼鏡を押し上げる鏡夜先輩。




「それは…お手数おかけしてすみません。」


「まぁいい。俺も早く帰りたいからな。さっさと要件だけ言うぞ。」


「お、お願いします。」




さっきの双子との会話よりも、プレッシャーがかかるのは何故だろう…




「中庭にいろ。以上だ。」


「え?」
『え?』




そして余りにも簡潔過ぎる伝言に、自分と光たちの声が重なった。




「聞き返すな。本当にコレだけだ。」


「はぁ…」


「何だろうな?中庭にいろだなんてさ。」


「ね〜。」


「二人は気にしなくて良いの!」




これ以上この二人に興味をもたれると、あの人を探しに行けなくなる。


さっさと見つけて帰りたいのに…




三人と中庭で別れた後、まずはどうしようかと悩む。




「うーん…。どこに行ったのか、皆目見当がつかない。」




あの人は、常識から外れた行動をするからなぁ。




そう思っていたら





「‥‥‥あれ?」





上から、何かキラキラとした物が自分の頭上を掠めて、沢山飛んでいった。




「あれは…シャボン玉?」




自分が見る限り、それは夕日の光を反射して光っている、幾つものシャボン玉だった。




「どこから…」




自分は目を凝らして、更に顔を出来るだけ上に向けて、シャボン玉がどこから流れてきているのかを探した。




「‥‥‥あ!」




南校舎の屋上から…沢山溢れてる!


自分は少し足早に、屋上に向かってみる。





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