100題2

□射抜くべき相手を探そう月間
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彼を私以上に愛している人なんていないと断言してしまいたいくらい私は彼が好きだけれど、彼は別に私の事なんて特別には見てはくれないから私はいつも彼を一人でそっと眺めているのだ。




しかしそれだけでも私の気持ちは募っていって、いつか気がおかしくなってしまいそうな気がする。






「そんな訳で好きな人を探そうと思う。」
机に両手のひらを当てて、堂々宣言すると、呆れた顔の宍戸が私に指を指した。「そんな訳ってどんな訳だ。それと、探すじゃなくて見つけるだろうが馬鹿。」
「う…。別になんでもいいじゃん。」
勢いで言ったのに出鼻すら挫かれて、勢いが削がれる。
これで目の前にいるのが、彼を敬愛している彼の後輩だったのなら、もっとノリがいいのにと思いながら、私は挫けず言葉を発した。
「だからなんか性格いい人知らない?」
「自分で探せ。」
しかし宍戸の対応は冷たいもので、正直挫けたくなった。
だがそれで諦めたら駄目だ、と自分を奮い起たせ、負けずに主張を繰り返す。
「おーねーがーいー!私男友達宍戸位しかいないんだよ〜。」
「ひっつくな!鳳とかいるだろ!」
彼女がいるくせに、女の子に抱きつかれただけで赤面する宍戸。本当にうぶだ。
「鳳君があてになると思ってるの!?」
「いや、思ってねえけど。」
「じゃあ言うな!」
鳳君には悪いが、正直こう言う話で彼のはあてには出来ない。
純情過ぎる彼は、モテるのに未だに彼女がいないほどなのだ。彼曰く、知り合っていかないと付き合うなんてとても…。らしいけれど、頭固すぎな気がする。
まあらしいけれど。
「じゃなくて、だから協力してよ!」
「女友達に頼め!」
「宍戸がいいの!」
「何でだよ!」
「何となく!!」
「言い張んな!!」
「…………。」
「…………。」
大声を出し合ったので、二人共肩で息をしだした。ので一旦休憩。

本当は何となくではない。けれど、それは宍戸に言う事でもないからいいのだ。
でもどうしても、宍戸に手伝ってもらいたいのだ。
好きな人に好きになれそうな人を探して貰えたら、きっと踏ん切りがつく気がする。


片想いは辛いんだ。

宍戸とはつながっていなかったこの小指に結ばれている、見えない赤色の糸が繋がっている人を探そう。


射抜くべき相手を探そう月間
(年下は対象外だからね?)(知るか!!)

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