MSCアナザ-エピロ-グ〜SUMMER Ver.〜

□初めての夜
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そして夜が明け、
津田沼は朝の光に目を覚ました。
すると彼の眼前には、
信じられない光景が広がっていた。

自身は何一つとして身に纏っていない、
正に生れた儘の姿で目を覚まし、
隣には桜子が、津田沼と同じ姿で、
毛布に包まって静かな寝息を立てており、
そしてその周りには、
脱ぎ散らかされた二人の衣服が
散乱していたからだ。

ふと時計に目をやると、
時計の針は既に8時を指していた。

津田沼はその状況から、
自分が昨夜桜子と
"男女の一線"を越えた事を思い出し、
「どうしよう……」と、
戸惑いとショックから頭を抱えていた。

程無く、桜子も目を覚した。
すると彼は、俯いて桜子から目を逸らし、
「ごめん…、桜子さん…。
僕、別にそんなつもりじゃ…」
と力無く肩を落した。

桜子は首を横に振ると、
「津田沼くん、何であなたが謝るの?
謝られたら、却って辛くなるじゃない!
誘ったのは私なんだから、
あなたが罪悪感なんか感じないで!
初めてあなたと一つになれて、
私、ホントに嬉しかったのに…。
あなたが私の中に入ってきた時、
私は、これ以上無い悦びで満たされたの。
そして、
あなたの魂が私の一番奥に放たれた瞬間、
私の魂も一緒に、
絶頂へと昇り詰められたの…。
だから、
あなたが謝る事なんか何も無いのよ。
寧ろ、私こそごめんなさい。
あなたの事、誘惑したみたいで…。
でも、私があなたを好きな事は本当よ。
あなたが傍に居てくれるなら、
ただそれだけで、
私はそれ以上他には何も望まないわ。
だからお願い、津田沼くん。
もっと、私の傍に来て。
ずっと、私の傍に居て…。
ううん、傍に居てなんて、
偉そうな事言えないわね。
寧ろ、あなたの傍に居させて…。
決して、
あなたの邪魔になる様な事はしないから…。
あなたと同じ夢を、私も見たいの。
そして叶えたいの!
私はあなたに、心から恋してしまったの。
あなたじゃなきゃ駄目なの。
あなたが好きで好きで好き過ぎて、
それが、今頃になって漸く解ったの…。
あなた、いつか言ってたでしょ?
"日本一の小料理屋を出すんだ"って…。
それなら、
いくらあなたの腕が良くたって、
女将の居ない店が、
日本一になんかなれる訳無いじゃない!
いつかあなたの夢が叶うその時を、
私も一緒に見届けたいの!
こんな私でも、あなたの力になりたいの。
あなたの支えになりたいの……」
と、改めて津田沼に告白をした。

津田沼は、暫く黙り込んでいたが、
戸惑いながらも言葉を選ぶ様に、
「こんな僕で良かったら………」
と静かに頷いた。

しかし、
その表情が嬉しそうに見えない津田沼に、
桜子は
「無理して私と付き合おうとしてるの?
もしかして、既に彼女でも…」と尋ねた。

すると津田沼は、
「そんなんじゃ無いよ。
ただ、上手く言えないけど、
桜子さんを好きになる事に、
自信が持てなくて……」と、
恋への不安を明かした。

桜子はそんな津田沼に、
「そんなに私が信じられないの?」
と強い口調で訊いた。

津田沼はすぐさま首を横に振ると、
桜子はもう一度確かめる様に、
「お願い、信じて、津田沼くん。
友達のままなんて、私はもう嫌なの。
私にはもう、あなたしか見えないの…」
と言い、
津田沼の頬にそっとキスをした。


津田沼は桜子に戸惑いながらも、
彼女と恋人になる事を決意した。
すると、津田沼の下半身は又も膨張し、
それを見た桜子を
「まぁ、津田沼くん、
あなたってどれだけ底無しなの?
ゆうべあんなに私を真っ白にしたのに、
もうこんなになるなんて…」と驚かせた。
それに対して津田沼は照れながら、
「桜子さんが余りにも刺激的で魅力的だから、
そんな君に触れられただけで、
自分でも、もう歯止めが利かないんだ…」
と答えた。
すると桜子も照れた様に、
「嬉しいわ、私の体で、
そんな事思ってくれるなんて…。
あなたのそんなの見てたら、
何だか私も疼いてきちゃった…」と言い、
津田沼の分身を摩りながら咥え始めた。
既に快楽の虜となった津田沼は
忽ち絶頂を迎え、
「桜子さん…、僕…、又、出ちゃう…」
と呟くが、
桜子はそれを聞くとすぐに
津田沼の分身から口を離し、
「待って、津田沼くん…。
あなた一人だけで、
気持ち良くならないで…。
行く時はもう一度、
私の中で行って……」と囁くと、
最早血管が浮き出て脈を打っている分身を
自身の秘部へと迎え入れた。
津田沼はその瞬間にでも
放出したいのを堪えながら、
「さ、桜子さん、君が魅力的過ぎて、
もう君以外の女性なんて、
知りたくないよ…」と呟いた。
桜子は秘部を何度も突かれながら、
「う、嬉しい…。
例えお世辞でも嬉しいわ…」と答えた。
津田沼は首を横に振りながら、
「お世辞なんかじゃ無いよ…。
君とじゃ無ければ、
こんな気持ちになんて…」
と言いかけた所で絶頂を迎え、
大量の"男の証"を桜子の中へと注ぎ込み、
二人は力尽きて横たわった。


目を覚ました後、桜子は津田沼に
「もう一度訊くわ、津田沼くん…。
こんなイヤらしい私でも、
好きでいてくれる?
これから私が、
何度ゆうべの様にあなたを求めても、
拒まないで受け入れてくれる…?
私は、
三日以上男の体から遠ざかっていると、
禁断症状が出てしまうの…。
だから、引き返すなら今の内よ。
私に幻滅したならしたって、
はっきり言ってくれていいのよ……」
と尋ねた。
津田沼はそれに「桜子さん。
ゆうべ君から言われた言葉を返すよ。
そんなに自分を悪く言っちゃ駄目だ。
君は決して、嫌らしい女なんかじゃ無い。
いくら言葉にしても、
いくら心で思っても、それだけでは、
愛するという事は成り立たない。
男と女が本気で愛し合うという事は、
こんなにも激しく、
痛みと覚悟を伴うものなんだって事も感じた。
そして、それを乗り越えた先に
"悦び"が待っている事も…。
君が、"僕に抱かれずに居られない"
と言うのなら、
いくらでも僕を求めてくれればいい。
君の性の生贄になら、
僕は喜んでなるよ。
君の体を知ってしまった以上、
僕も今更引き返したくはない。
ただ抱きたい時に求め合うだけの関係なんて、
二人には許されない事ぐらい解ってる。
そんな、君を弄んだ奴らの様な事は、
僕は決してしない。
だから僕も、
どんな君でも全力で受け止め、
受け入れる。
例え世界中の全てが、
君を敵視したとしても、
僕だけは、君の味方で居ると誓うよ。
それが出来無ければ、
僕には君を好きになる資格なんて無いから。
『桜子さんは僕の女だ』って、僕も堂々と、
胸を張って言いたいから…」と頷いた。
津田沼のその一言に、
桜子は安堵感を浮べながら
「ありがとう…」と寄り添った。

こうして二人の恋は、
心より体が先に結ばれて始まったのだった。
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