立海嫌われ連載

□三年後
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カチカチカチカチ、ボタンの音が教室に馴染む。周りには誰もいない、きっと図書室か自宅に帰って勉強しているんだろう。最近暑くなってきた。日焼け止めの出番も増えそうだ。

英莉にメールを送って携帯を鞄の中にしまった。窓から差し込む日差しが外の過ごしにくさを物語る。外部に進学した英莉とはメールや電話で連絡を取り合い、休みが会えば一緒に遊んでいる。さっきのメールも次の日曜日の予定に関するメールだ。
教室の時計を仰ぎ見た。あ、遅刻だ。

ひったくるように鞄を持ち上げ教室を飛び出した。やばい、完全に遅れてる。走るとやはり汗が滲んで、こんな中でも練習をこなす皆はすごい。きっと今頃はストレッチを終わらせてランニングをしているだろう。
バタバタ静かな廊下に私の足音と荒い呼吸だけが響いていた。校舎を出ると思ったより日差しが眩しくて思わず目を細めた。



「おーい、何やってんだよ」



ジャッカルの声が聞こえた。



「ごめーん!」



私も大声でそれに応える。



「たるんどるぞ!」


「本当にごめんなさいっ、ランニングしてこようか?」


「冗談を言ってないで早く着替えてこい」


「お前がいないと締まんねぇよ」


「はーい!」



皆が笑って迎えてくれる。諦めた事もあった。だけど今こうして皆と笑い合えるから、それが幸せ。
沢山笑おう、皆で支え合おう。私達は一人じゃない。



ねぇ、そうでしょう?








END
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