かのちこさんのお部屋

□泣き虫かんちゃんと、ごめんなさい
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「ぐぉ〜め〜んなざぁ〜い」
鼻をずびずび鳴らしながら、かんちゃんが泣いています。
近くにはお母さんが溜息を小さく吐いています。
「かんちゃん、謝ってほしい訳じゃないの。ちゃんと解ってほしいの」
「はい゛〜。ぐぉ〜め〜んなざぁ〜い」
かんちゃんは、鼻をティッシュで取りながら、泣いています。
「かんちゃん、昨日のよるも、同じ事して、同じお話したよね?」
「はい゛〜」
昨日の夜、お母さんに寝る前にご本を読んでほしかったかんちゃんは、嬉しそうにご本を持ってきた。
けど、お母さんは調子が悪く、少し待ってね、と言いました。
その間、かんちゃんはお部屋に有る小さいおもちゃを入れる箱を持って待っていました。
「かんちゃん、お待ち遠さま。今、少し良くなったから、ご本を読もうか」
お母さんは、体を起こしてかんちゃんを呼びました。すると、かんちゃんは手に持っていた箱をぽいっと投げて、お布団に来たのです。
「あぁ、かんちゃん。今、おもちゃをばらばらにしたでしょ?片付けておいで」
すると、かんちゃんはこう言いました。
「おたぁさん、片付けて」
お母さんは、小さく溜息を吐きました。
「かんちゃん、お母さん、調子悪いの。知ってるでしょ?それに、かんちゃんがばらばらにしたんだから、おかたしておいで」
すると、かんちゃんは眉間に皺を寄せ、嫌な顔をしました。
「やっておいで。そしたらご本、読んだげるから」
かんちゃんは、渋々片付けに行きましたが、沢山散らかったそれを見て、面倒になりました。
「どれ片付け良いかわかんないぃ」
情けない顔で言うかんちゃんに、お母さんは困ってしまいました。
「かんちゃん、前、お約束したよね。物は大事にしないといけないんだよ、て」
「…」
かんちゃんは、不満そうにして何も言いません。
「母は調子が悪いって知ってるでしょ?少しお手伝いしてよ。それにね、おもちゃを散らかしたのはかんちゃんだよ」
「でも、どうやってやるの?」
「落としたのを拾って箱に入れればいいでしょ?」
「はい゛〜」
かんちゃんは、嫌々物を拾って、ぼんぼんと怒りながら箱におもちゃを入れました。
「かんちゃん、物は大事にしないと壊れちゃうよ」
「はぁい゛〜」
嫌々やりますので、おもちゃは零れたりしています。「もういい」
とうとうお母さんは怒ってしまいました。
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